本:乃南アサ
(update:2006.6.15)


満足度 ☆:最高 ◎:とても良い ○:良い △:普通 ×:いまいち 
※私の好みなので他の方が満足できるかどうかは??

2006年

タイトル あらすじ/感想 満足度
あなた 上・下 秀明はやや軽めの明るい浪人生。明るいといっても二浪目に突入したのだから、多少の屈託もないわけではない。しかし、女子大生の彼女もちゃんといて、携帯メールを間断なくやりとりして、にやけてみたり、ふて腐れてみたり…。受験の年の元日の未明、秀明の身体を異変が襲った。胃を握り潰されるかのような激しい吐き気、強烈な圧迫感。それは底なしの恐怖の序章に過ぎなかった。

秀明が身体の異変を感じる原因、文中でわかりより前に想像できてしまった。それはそれでいいが、その原因となる女性の思いに今ひとつ理解できない部分があり、共感できなかった。
また、このような話の進め方もあまり好きになれず、乃南作品で初めての×となった。
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2005年

タイトル あらすじ/感想 満足度
5年目の魔女 魔性を秘めた女・貴世美、職場では不倫を、友人だった景子は退職を余儀なくされた。
景子は巻き込まれたかのように感じるが、実は彼女も・・。

2004年

好きだけど嫌い 
著者名 乃南アサ
出版社名 新潮文庫
備考 いたずら電話をしてきた男性に説教した思い出、女優・鶴田真由を銭湯の名前と聞き違えて笑われたこと、五百円玉をためて50万の借金を返した日々、美容院の対応に立腹しても文句を言えない自分、「あきらめないで書くんだよ」とタクシー運転手に励まされ苦笑したこと−あの頃の私はキリキリ舞いさせられながらも、精一杯生きていた。三十代の女性へ真摯に語りかける本音のエッセイ23編。男
感想 これは小説ではありません。乃南アサのエッセイは初めて読んだけど、思いこみや勘違いなど、乃南さんも普通の同じ女性なのね〜と、楽しく読めます。

ヴァンサンカンまでに
著者名乃南アサ
出版社名幻冬舎
備考男なんかに左右されずに、自分の力で幸せになってみせる。密かに決意した翠は自分の中の「女」を使い分け、上司との不倫も同期との恋愛もうまくやっていけるつもりだった。でも、何かが違う..翠は日増しに苛立ちをつのらせ、感情のバランスを欠いてゆく。心理サスペンスの第一人者が、都会をしたたかに生き抜こうとする女の姿を描いた小説。
感想ずいぶんまえに読んだので、話を忘れてしまいました..。

鎖 上・下 
著者名乃南アサ
出版社名新潮文庫
備考「凍える牙」の続編!
東京都下、武蔵村山市で占い師夫婦と信者が惨殺された。音道貴子は警視庁の星野のコンビを組み、捜査にあたる。ところが、この星野はエリート意識の強い、鼻持ちならぬ刑事で貴子と常に衝突。とうとう二人は別々で捜査する険悪な事態に。占い師には架空名義で多額の預金をしていた疑いが浮上、貴子は銀行関係者を調べ始めた。が、ある退職者の家で意識を失い、何者かに連れ去られる!
貴子が芽を覚ますと、廃屋に監禁され、鎖で手足を縛られていた。一方、行方不明の貴子を救出するため特殊班が編成され、かつて彼女と組んだ滝沢刑事も加わる。やがて犯人らの巧妙な現金奪取計画が明らかになり、貴子も犯人の中の女性を説得し、懸命に本部との連絡を試みる。が、特殊班はなかなか潜伏先辿り着けない。ついに貴子の気力・体力も限界に..。
感想「凍える牙」がもう一つ..と感じた方も、これを読んで見て下さい。
音道刑事は今回、大変な事に巻き込まれます。ハラハラドキドキ、涙もあり。滝沢刑事との微妙な関係も良かったです。

水の中のふたつの月 
著者名乃南アサ
出版社名文春文庫
備考小学生の時の仲良し三人組が偶然十数年ぶりに再開した。スケジュール帳を一杯にしたがるOL亜理子、頻繁に手を洗わないといられない梨紗、見栄っ張りで嘘ばかりつく恵美。三人の遠い過去が少しずつ掘り起こされ、あの夏の日の封印された事件が甦る。三人が交わした秘密の「約束」とは何なのか。心理サスペンス。
感想三人の再開で、封印された過去を思い出すようになる。その結果、また新しい封印したい出来事が..。
おもしろいかどうかは別として、私はこういう結末が好きではないので。ちょっと怖い..。


2003年

晩鐘 上・下
著者名乃南アサ
出版社名双葉社
備考過去の話題作「風紋」の続編。
「何の償いもいらない。殺された人をもとのまま返してほしい!」母親を殺された娘の叫び。
「君が謝ることなんかじゃない。誰も君を責めてない。」殺人犯の父親を持った少年。
あの忌まわしい事件から7年。心に癒しがたい傷を負った人々の物語。
感想とても読み応えのあった「風紋」の続編ということで、文庫になるまで待てず、高いし分厚いということで悩んだが、思い切って購入。最初、職場で注文したが出版社が在庫切れ。ネットの本屋でも品切れ。ますます欲しくなり、近くの大きい本屋に行き、手に入れた。
最初、重たい感じで始まるので、この先どうなるかと苦しい気持になるが、読み応えのある作品で、最後には..。

パラダイス・サーティ 上・下 
著者名乃南アサ
出版社名新潮文庫
備考薬品会社のOL栗子は、30歳を目前にして落ち込んでいた。職場はお局扱い、結婚見合いも断られ、家族も勝手気まま。とうとう家を出る。落ちついた先は、幼なじみでレズビアン(オナベ)の菜摘の部屋。そんな栗子はある日、菜摘が経営するバーの常連客、小窪伸を紹介され、彼に一目惚れ。二人はやがて深い仲に。プロポーズを待ち望む栗子だが、どうも伸の態度が煮え切らない。
菜摘もまた、店の客の紘子に一目惚れしてつきあっていた。が、進展せず悩んでいた時、紘子の家でたまたま見たビデオから、伸の商売を知る。一方、栗子は伸に会いたくて、所在を調べ始めた。一途な2人にとんでもない恋の結末が訪れようとは..。
感想栗子と菜摘のそれぞれが恋愛していく様子が書かれており、その中でお互いをより理解し、菜摘と栗子の関係も変わっていく。切ないけど元気も出るお話です。

涙 上・下 
著者名乃南アサ
出版社名新潮文庫
備考「ごめん。もう、会えない」。東京オリンピック開会式の前日、婚約者で刑事の奥田勝から、電話でそう告げられた萄子は愕然とする。まもなく、奥田の先輩刑事の娘が惨殺され、奥田が失踪していたことも判明。挙式直前の萄子はどん底に突き落とされた。いったい婚約者の失踪と事件がどう関わっているのか。間違いであって欲しい...。真実を知るため、萄子はひとりで彼の行方を追った。わずかな手がかりをもとに、必死に婚約者の後を追った。勝への思いが消え入りそうな萄子だったが、当時米領の沖縄・宮古島に彼がいる可能性を大阪で知る。島でわかった慟哭の真実とは?
感想新聞の新刊紹介欄に載っているのを見て、すぐに購入。
何不自由ない暮らしをしていた萄子が思わぬ事から婚約者を失う。あきらめても良さそうなものだが、自分の中でどうしても今の状態を受け入れることができず、必死に探す姿は胸が痛むようだった。宮古島でわかったこと、その時の萄子はとても可哀想で涙が出た。婚約者を追い続ける長い期間、その中で自分なりに心の整理をつけていく萄子、読み応えのある2冊だった。おすすめです。


2002年

紫蘭の花嫁 
著者名乃南アサ
出版社名光文社文庫
備考「逃げなきゃ、あいつから逃げなきゃ!」花屋で働く三田村奈季の前へ突然現れた謎の影。その瞬間から彼女の逃亡生活が始まった。一方、神奈川県下で連続婦女暴行殺人事件が発生。史上、まれにみる凶悪犯罪を前に捜査陣は翻弄される。苦悩する刑事部長・小田垣と彼に近づく美女・摩衣子、そして息をのむクライマックス。
感想夏季の逃亡生活...誰から逃げているのか、誰が悪者か、ドキドキしながら読んだ。

ピリオド
著者名乃南アサ
出版社名双葉文庫
備考どこかに帰りたいと思う気分、帰りたいと望む心を描いてみたかった。(乃南アサ)
宇津木葉子、兄が友人の志乃と結婚し子供2人がいる。兄の入院、姪や甥のさまざまな問題、その中での人間関係が描かれている。
感想いつもの乃南アサを期待すると、??という作品。ミステリーものではなく、さまざまな人間関係、それぞれの立場での思い等が描かれている。全体的に話の内容が暗い感じなので、好き嫌いが分かれる作品だと思います。

夜離れ(よがれ) 
著者名乃南アサ
出版社名幻冬舎文庫
備考結婚を控えた摩美と敦行は、突然失語症になった摩美の親友朋子を気遣い、熱心に世話を焼いた。そのかいあってか、朋子は「劇的」に回復。だが、挙式当日、祝辞に立った朋子の口から出たのは...。「私だけ」の幸せに目が眩んだ女達の、嫉妬、軽蔑、焦燥、憎悪が渦巻く心の内を残酷なまでに鮮やかにえぐり出す、傑作心理サスペンス。
感想親友だと思っていた朋子、まさかこんな結果になるとは摩美は思っていなかったでしょう。
その他、髪がすべてと思っている芙沙子、髪が美しければ好きな人をも手に入ると思っている彼女。
女性は自分のためならばここまでするのか..と思うようなお話。現実にあり得ないことではないのかもしれない。(幸い、身近にはこんな女性いませんが。)

不発弾
著者名乃南アサ
出版社名講談社文庫
備考デパート勤務の的場智明は、地味な売り場での仕事に耐える日々を過ごしていた。そんな折、息子や娘の”秘密”を妻までが一緒になって隠していたことに気づく。たまりにたまった憂さをはらすために彼がとった行動とは...。表題作など、現代人の爆発寸前の心境を的確に捉えた短編集。
感想ごく普通の家庭だったと思っていたのに、妻や娘、息子の自分勝手な行動。ストレスやイライラがたまって、ついには爆発?
人間、イライラやストレスは小出しに爆発させ、こんなことにならないようにしたいものだ。もちろん、相手がそこまでストレスを感じていることに気づくことも必要だ。
その他、悪いことばかりの人生に嫌気がさしたタクシー運転手、死に場所を探すつもりが、最後にお客をのせたことで、気持が良い方向へと変わっていく作品等。

凍える牙 
著者名乃南アサ
出版社名新潮文庫
備考深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した!遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年デカ・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか?野獣との対決の時が次第に近づいていた。女性刑事の孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集めた直木賞受賞の超ベストセラー。
感想乃南ファンの私が、一番有名と思われる「凍える牙」を今頃になって読んでみた。
女性と言うだけで、特別視され、その中でしっかりした気持を持って頑張る貴子の姿は共感が持てる。ここでの獣..オオカミ犬の疾風(はやて)、貴子が惹かれるその姿を見てみたいと思った。

家族趣味
著者名乃南アサ
出版社名新潮文庫
感想人生は楽しく、充実していなければ。そこそこ出世した旦那に健康な息子。私の仕事も順調だ。そして、恋も...。次々に年下の男性との不倫関係を重ねてゆく奔放な主人公を待ちかまえていた運命とは?その他、日常に潜む狂気を抉った傑作短編5編。
☆よくありそうな話が読んでいる内に思わぬ方向へ。少年の不可解さを描いた「デジ・ボウイ」、感情のない子供、最近は多いのかもしれない..。

死んでも忘れない
著者名乃南アサ
出版社名新潮文庫
備考夫婦と息子1人の3人家族。どこにでもある新興住宅地の平穏で幸福な一家だった。妻が妊娠したことで、新たなる喜びに一家は包まれる...はずだった。しかし、ある朝、夫が巻き込まれた小さな事件が思いもよらぬ展開を見せ、彼らの運命を大きく狂わせていく。次第に追いつめられ、崩壊に向かう家族に、果たして救いはあるのか?
感想誰にでも起こりそうな事件、他人の興味本位の噂とは本当に恐ろしいと感じさせられます。一度読み始めたら、途中でやめられない本。途中、涙が出る場面が多く、涙もろい方は人前では読まない方がいいかも。お勧めの1冊。

再生の朝
著者名乃南アサ
出版社名新潮文庫
備考十月七日午後五時三十分。萩行きの夜行高速バスが品川のバスターミナルを出発。乗客乗務員は十二人。約十四時間で目的地到着の予定だったのだが..。深夜に乗務員が殺害され、バスは殺人者とともに、何処とも知れぬ闇の中に放り出される。台風接近で風雨も激しさを増し..。それぞれの人生を背負って乗り合わせた登場人物たちの多視点からの恐怖の一夜を描く。
感想自分のことばかり考えていた乗客が、力を合わせることにより、気持が変わっていく。なさそうでありそうな出来事で、高速バスも怖いような気がしてきた..。

団欒(だんらん)
著者名乃南アサ
出版社名新潮文庫
備考なぜ自分にこの親、この兄弟姉妹なのか。いつもやたらとベタベタしているのに、実はバラバラだったりする。「家族」って、よくよく考えてみれば、ヘンなものだと思いませんか?この本には、なかでもきわめつけのヘンな家族が登場します。深夜の夜、息子がいきなり彼女の死体を連れて帰ってきたり、夫婦の寝室に「ママ」がいたり..。
感想いろんな家族が登場する短編集。5話あります。こんな家族、ありそう..とは、とても思えないほど変な家族です。とはいえ、それに近い家族はいるのかもしれません。楽しく読めました。


2001年

著者名乃南アサ
出版社名講談社文庫
感想高校2年の麻里子のカバンに、知らぬ間に一つの鍵が押し込められた。近所で連続して起きる通り魔事件は、ついに殺人にまでエスカレート。父も母もいなくなった聴覚障害を持つ女子高生と、その面倒を見なければいけなくなった兄や姉の心の通い合いを見事に描いている。
☆私が予想した内容とは全く違っていた。殺人事件はおまけにすぎず、兄弟(その中でも兄と麻里子)の心の動きがメインとなっている。途中、すごく泣けて、これは外では読めないと思うくらい。最後には2人の気持が通い合い、心温まるお話です。

著者名乃南アサ
出版社名講談社
備考「鍵」の続編。
感想高校3年生の麻里子は、進学や友人関係の変わりゆく周囲にとまどう。そんな彼女の周りで起きた毒入りジュース事件。事件に関わる少年が自分と同じ聴覚障害を持つと知り麻里子は..。思春期の少女の微妙な心模様と家族の愛情を描いている。
☆「鍵」に続き、暖かいストーリー。麻里子と兄の俊太郎に、今までの不安定な生活から、進むべき目標が出来てくる。

風紋 上・下
著者名乃南アサ
出版社名双葉文庫
感想犯罪被害者に限定して言えば、事件の加害者となった人間以外は全て、被害者になってしまうのではないか。そして、その爆風とも言える影響が果たしてどこまで広がるものか、どのように人生を狂わすかを考えさせられる作品。
☆乃南アサの他の本の解説、乃南アサのファンの友人等、評価の高い作品。いろいろ考えさせられる部分もある内容だった。先が気になり下巻は一気に読みました。お勧めです。